夜空に輝く星座はロマンチックなもの。星占いや天体観測、プラネタリウムなど、星の話は女性とのデートでも鉄板ですね。
しかし、星座やそれにまつわる神話は、大昔のギリシャの人達が想像力を働かせて作ったもの。中には「何それ?」と思ってしまうような荒唐無稽な話もあるのを知っていますか?
今回は、思わず人に話したくなるようなヘンな星座の神話をご紹介します。
ヘラクレスに気付かれず踏み潰された蟹座
主神ゼウスの妻であるヘラは嫉妬深さで有名。ゼウスが愛人との間に作った子、ヘラクレスが憎くてたまりません。そこでヘラは巨大な化け蟹を呼び出し、ヘラクレス暗殺に向かわせます。
蟹は、ヒュドラという怪物と戦っている最中のヘラクレスに近付き、ハサミで足を攻撃しようとしますが、ヘラクレスは全く気付かずこの蟹を踏み潰してしまいました。暗殺のターゲットに存在を認識すらされず踏み殺された哀れな蟹は、その勇気を讃えられて天に上げられ星座となったのです。……ん?
アブ一匹で主人を振り落としたペガスス座
ペガスス(ペガサス)は天を駆ける伝説の馬。これを捕らえて愛馬とした勇者ベレロポーンは、王に命じられた怪物退治を成し遂げて意気揚々。
調子に乗った彼はその勢いのまま天上にまで攻め込もうとしますが、ゼウスが「こんなやつ虫一匹で十分でしょ」とばかりに繰り出したアブでペガススは混乱。ペガススに振り落とされてベレロポーンは墜落死、そして引くに引けないペガススはそのまま天まで上り星座になったのでした。……んん?
神々の笑いものにされた山羊座
あるとき、神々がナイル川沿いで宴会をしていたところ、ティフォンという怪物がその騒がしさにキレて襲い掛かってきました。神々は怪物を恐れ、次々に思い思いの動物の姿に変身してその場から逃走。
ところが、神の一人であるパンは、川に逃げるか地上を逃げるか迷った挙句、上半身がヤギで下半身が魚というシュールな姿に変身してしまいます。その姿を天上から見ていたオリンポスの神々は大笑い。そのおかしな姿を後世まで晒し者にするべく、天に上げて星座としたのです。……んんん?
ちなみにこの神話が「パニック」という言葉の語源になったという説もあります。
食い殺した主人を待ち続ける小犬座
アクタリオンという男が猟犬を引き連れて森に狩りに行ったところ、泉で女神アルテミスとその侍女達の水浴びを目撃します。それに気付いたアルテミスは怒り、呪いでアクタリオンを鹿に変えてしまいました。
アクタリオンは助けを求めますが、鹿の鳴き声しか出せず、自分が連れていた優秀な猟犬達に食い殺されてしまいます。帰るはずのない主人を泉のほとりで待ち続ける犬達。さすがに悪いことをしたと思ったアルテミスは、犬の一頭を天に上げ、星座にしたのでした。……んーー、何それ?
星座の元となったギリシャ神話には他にも荒唐無稽なものや、「ひどすぎない?」と思ってしまうようなものが多くあります。
しかし、そんな切っ掛けでも今では世界の人々に愛されている星座達。由来の知識をひけらかすばかりではなく、上手く話に絡めて面白さやロマンチックな時間を演出出来ればスマートかも、ですね。
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