礼装して出かけなければならない場は限られてきますが、だからこそ、その時は恥をかかないようにチャンとした格好で出かけたいものです。
「そんなの言われなくても・・・」そう思っている方も多いでしょうが、そんな方たちに限って、礼装は黒のスーツに白のシャツくらいに思っていないのです。しかし、礼装は黒のスーツを着ておけば大丈夫というわけではありません。
礼装には下記の3つがあって、昼夜やシチュエーションによって、求められる服装は違ってきます。
- ・正礼装
- ・巡礼装
- ・略礼装
正礼装
(昼)
- ・ジャケット⇒モーニングコート
- ・パンツ⇒グレーと黒、または白と黒のストライプのもの
- ・タイ⇒シルバー、または白黒ストライプのもの
- ・靴⇒黒の革靴と黒無地のソックス
モーニングコートでスタイリングされた服装はカット・アウェイ・フロックコートと呼ばれ、昼の最上級正装の1つと言われています。
(夜)
- ・ジャケット⇒燕尾服、もしくはタキシード
- ・パンツ⇒ジャケットと同じ共布でパンツの脇にブレードが入ったもの
- ・タイ⇒燕尾服は白の蝶ネクタイ、タキシードは黒の蝶ネクタイ
- ・チーフ⇒礼装用の白シルクのポケットチーフ
- ・靴⇒黒のエナメルと黒無地のソックス
燕尾服でスタイリングされた服装はホワイトタイと呼ばれ、現在最上級の礼服と言われています。
準礼装
(昼)
- ・ジャケット⇒ディレクターズスーツ(ベスト着用)
- ・パンツ⇒グレーか黒のストライプ、または白の千鳥格子のパンツ
- ・タイ⇒シルバーグレイ、または白黒ストライプのタイ
- ・チーフ⇒礼装用の白シルクのポケットチーフ
- ・靴⇒黒の紐付きでストレートチップが好ましい
ディレクターズスーツは昼のセミフォーマルと呼ばれ、アメリカではストウラー、イギリスではブラック・ラウンジと呼ばれています。
(夜)
- ・ジャケット⇒タキシード
- ・パンツ⇒ジャケットと同じ共布で脇にブレードが入ったもの
- ・タイ⇒白のウィングカラー、または普通襟のシャツに黒の蝶ネクタイ(カマーバンド着用)
- ・チーフ⇒礼装用の白シルクのポケットチーフ
- ・靴⇒黒のエナメルと黒無地のソックス
夜間用の礼服の燕尾服よりも略式なものとされ、夜のみ着用可能な礼服です。
略礼装
- ・ジャケット/パンツ⇒ブラックスーツ
- ・タイ⇒シルバーグレイ、または白黒ストライプのタイ、もしくは黒の蝶ネクタイ
- ・チーフ⇒礼装用の白シルクまたは麻のポケットチーフ
- ・靴⇒黒のシンプルなもの
日本では正装と言えば昼夜兼用できる、このブラックスーツが多いのですが、海外ではブラックスーツは礼装と認められていません。
よって、外人の方がホストのパーティー等では失礼に当たる礼装となってきます。
私たち日本人男性が礼装と思っているブラックスーツは海外では礼装として認められておらず、日本国内でしか通用しません。
この事実に驚かれた方はきっと多いことでしょう。
しかし、これを期に、本当の礼装を着こなしてひとランク上のオシャレと、招かれることに対する正式マナーを実践してみませんか?
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