紳士は当然知っている?和食の正式なおかわりの作法とは?

給仕さんがいるような高級な和食料理店で「ご飯をおかわりしたいな」と思ったとき、もしかしていつものように店員さんに声をかけておかわりを頼んだりはしていませんか?
実は和食にはあまり知られていない「おかわり」の作法があるのです。
日本人の奥ゆかしさが分かります。

 

ご飯をおかわりしたいときは…

和食では、ご飯をおかわりしたいときはお茶碗に一口分のご飯を残すことで給仕さんにその意思を伝えることができます。
おかわりしたいときは、まず茶碗と箸を置いてから、茶碗を両手で持ちます。
給仕さんがお盆を持っている場合は茶碗をお盆の上にのせ、持っていない場合は手渡ししましょう。
おかわりを用意してもらっている間はほかの料理には手をつけず、箸も置いたままで静かに待っていてください。
ご飯が運ばれてきたら、お礼を言ってから両手で受け取って、いったんお茶碗をおいてから、もう一度持ち上げて食べるようにして下さい。
この時、茶碗を受け取ってそのまま食べてしまうと、「受け食い」や「受け吸い」と言って、
和食ではタブーとされている行為になってしまうので注意してください。

また、おかわりしたものを残すのもマナー違反です。
おかわりしたら絶対に最後まで食べるようにしましょう。

 

なぜこんなルールがあるの?

和食では、基本的に料理が残っている間は食事中、料理がなくなれば食事終了の意味があります。
そのためご飯を一口残しておくことで、まだ食事は終わっていません、という意思表示をすることができるのです。
さらに、給仕の人に、「まだ残っているので急がなくても大丈夫です」という奥ゆかしく繊細な気遣いを見せる意味合いも含まれています。
日本人らしい細やかな気遣いが素敵ですね。

おかわりしないのは縁起が悪い?

おかわりしないで一膳だけご飯を食べるのは、通夜の枕飾りとして使われる一善飯を連想させるので縁起が悪いとされています。
そのためできるだけご飯はおかわりするのがよい、とされています。
しかし三杯も四杯も食べるのは図々しさを感じさせてしまうので、強く勧められたとき以外はできるだけ二杯でとどめるようにしましょう。
二杯も食べられない、という場合は、お茶碗の蓋にご飯を一口分のせ、また後からそれをお茶碗に入れて食べることで二杯目、と数えるようにしましょう。

実際のところ…

和食の正式なマナーとはいっても、現在ではあまり知られていないようですので、一般的な料理店ではまず通用しないと考えて良いでしょう。
給仕さんが常に付いているような改まった席や高級店で使うことをおすすめします。

 

どうでしたか?
全然知らなかったという方が多いかと思います。
普段はやっぱりきれいに食べきってからおかわりを頼むのが、店員さんにとっても自分にとっても
気持ちがいいかもしれんませんね。
とはいえ、これは日本人としては知っておきたい素敵なマナーだと思います。
食事を出してくれる相手や食そのものに対する感謝の気持ちを忘れない日本人だからこそ生まれたマナーではないでしょうか。
たくさんの人に知っていただきたい、そして忘れてほしくない気持ちですね。

今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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