紳士、ビジネスマンに限らず男のいわば戦闘服であるスーツ。
いかにスーツを着こなすかによって仕事がデキるデキない、はたまた女性にモテるモテない、と一つの判断材料にされるのは必然かと思います。
今日はそんな男の勝負着であるスーツの「ベント」に関して、由来や流行などを紹介していきます。
ベントが付いている意味は?
出典:flickr
スーツにおける「ベント」はみなさんご存知かと思います。
ジャケットの後ろの裾に付いている切れ込み(スリット)部分のことですね。
ベントは英訳すると「穴」や「通気孔」といった意味になりますが、そもそも何のために付いているものなのでしょうか?
それはスーツが生まれた昔のイギリスに遡るのですが、当時の兵隊が馬に乗る際に裾が突っ張ったり巻き込まれたりと乗馬の邪魔にならないようにと考えられたものです。
要するに動きやすくするために付けられたわけですね。
現代においては椅子に座った時にシワや突っ張りを抑え、スーツのシルエットを守る役割にもなっていますね。
ベントは大きく分けて3種類
ベントと一括りに言ってもそれには種類があります。
それぞれの特徴と呼び名を見ていきましょう。
センターベント
写真を見て頂けると分かる通り、真ん中に一つの切れ込みが入っています。
これがセンターベントです。
先にも書きましたが、馬に乗りやすいように作られたため、別名「馬乗り」と呼ばれています。
まさにベントの元祖ですね。
センターベントの仲間として切れ込みの一番上がカギ型になった「フックベント」というものもあります。
主にアイビースタイルなどに良くみるベントです。
サイドベンツ
出典:www.order-suits.com
「ベント」ではなく「ベンツ」です。両サイドに切れ込みがあるので、複数形のベンツになります。
これは昔、騎士が剣を抜く時に邪魔にならなないように考案されたとの説があり別名「剣吊り」と呼ばれています。
センターベントと比べて、よりアクティブであり、ヒラヒラと風になびき足が長く見える効果もあります。
パンツのポケットに手を入れても様になるのがサイドベンツの良いところでもあります。
ノーベント
タキシードなどのフォーマルなスーツはノーベントが基本です。
フォーマルの場では機能性はあまり必要ではないですからね。
よりエレガントに、よりドレッシーにとデザイン重視のスタイルです。
ノーベントはビジネススーツではあまり見られません。
どれを選べば正解か?
フォーマルの場ではノーベント一択ですが、ビジネスやその他の場面ではセンターベントとサイドベントのどちらを選べば良いか。
これに関しては「好み」になってきます。
近年では細めのスーツが流行なので、ウェストを細くするとセンターベントでは生地がめくれ上がることもあります。
若い世代を中心に「細め&短めのスタイルでサイドベント」が流行ってるように感じます。
しかしあまりやり過ぎるとビジネスの場では逆に「重み」がなくなってしまうかもしれません。
その場に合ったスタイルを選択するのが良いのではないでしょうか。
スーツに限らず、昔から受け継がれている服のデザインは全て何かの理由があって作られたものと再認識させられますね。
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本日もお読み頂きましてありがとうございました。
photo by:Tymtoi
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