和食のつけあわせには意味がある
2013年、和食がユネスコの無形文化遺産に登録されました。
和食自体の食文化が、自然を尊重する日本人の心を表わしたものであり、伝統的な社会慣習として世代を越えて受け継がれていると評価されたためです。
確かに、料理を引き立たせるために器にまで凝る料理は、世界でも珍しく、低カロリーでヘルシーな和食は、手先の器用な日本人が古来から自然と共存してきた結果生まれ、継承されてきたものだと言えます。
そんな和食の「つけあわせ」には、先人の知恵が生きています。それを幾つかご紹介しましょう。
わさび
刺身といえば、薬味の「わさび」がつきものですよね。
わさびは辛いことで刺身の美味しさを引き立てるだけでなく、優れた殺菌作用によって生魚を食べるリスクを減らしてくれます。
また最近の研究では、神経細胞の再生促進効果、老化や疾病を防ぐ効果、抗アレルギー効果があるという研究成果も発表されています。
ショウガ
わさびと並んでよく目にする薬味ですね。
ジンゲロンやショウガオールといった殺菌作用の強い物質を含んでおり、抗菌殺菌効果やガンの予防効果、食欲増進効果があります。
シソ(大葉、しその実)
シソも独特の香りで食欲を増進させてくれますが、抗菌・防腐作用を持っていることも知られています。
笹の葉
鱒寿司、ちまきなどの包装に使われるのが笹の葉です。さほど食べる機会のない食べ物ではありますが、優れた防腐作用を持っています。
こうして見ると、生ものや保存食には、必ずといっていいほど抗菌あるいは殺菌作用のある食材が添えられていることが分かりますね。冷蔵庫がなかった時代でも、日本人は知恵と経験から、抗菌・殺菌効果のあるものを利用してきたことが分かります。昔の知恵は偉大ですね、本当に。