紳士なら押さえておきたい「ネクタイ」の話
欧米では、パリッとしたスーツにネクタイを締めたスタイルは男のお洒落の代名詞とされていますが、対して日本人はスーツに無頓着であるという不名誉な評価も受けています。
特に男の「顔」でもあるネクタイについて、実はあまり詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、ネクタイにもっと理解を深めてもらうための豆知識をお伝えします。
ネクタイの歴史
ネクタイのルーツは古代ローマにまで遡ると言われますが、現在のネクタイの原形が生まれたのは17世紀頃という説が有力です。
フランス語ではネクタイを「cravate(クラヴァット)」といいますが、その由来は、クロアチア兵(クラヴァット)が妻や恋人から贈られたスカーフを首に巻いていたことだと言われています。
18世紀には首に布を巻くスタイルが兵装として盛んに採用され、男性の正装として発展していきました。19世紀後半にはイギリスでボウ(蝶ネクタイ)が考案されるとともに、現在のネクタイと同じ形をしたフォア・イン・ハンド・タイが生まれ、これが今日まで伝わるネクタイの基本形となっているのです。
ネクタイの結び方あれこれ
Vゾーンは男の「顔」とも言われ、ネクタイの結び方も重要なポイントになっています。本来はシャツの襟の形によって結び方を変えるのが正しい装いですので、少なくとも三種類は結び方を知っておいて使い分けるのが紳士の嗜みです。
プレーンノットは、結び目が最も小さく、ボタンダウンやピンホールなど襟開きの小さいシャツに向いています。一方、ウィンザーノットは最も大きな結び目ができるので、襟開きの大きいワイドやスプレッドのシャツに向いた結び方です。セミウィンザーノット(エスクワイヤノット)は、結び目が中くらいの大きさなので利用範囲が広く、様々なシャツにマッチします。
いくつも結び方を覚えるのが大変という方は、このセミウィンザーノットだけをまずはマスターするのもいいでしょう。
意外と知らないネクタイのマナー
ネクタイを選ぶときには、TPOに合わせた調和を考えることが大切です。
就職面接などのかしこまった場では、奇抜なデザインは避け、控えめのシンプルなネクタイを選ぶようにしましょう。
オフィスで働く人は、会社の雰囲気やスタイルに合ったネクタイを選ぶの基本です。金融関係や法律関係の方ならエレガントで落ち着いたネクタイが似合いますし、営業や広告・デザイン関係の方は明るい色や紫など、人目を引く色のネクタイがよくマッチします。
家族や友人との集まりでは、色やデザインに遊び心をきかせるのもいいでしょう。
楽しい集まりなら色は明るめを。一方、正式なパーティーでは、会や主催者のスタイルに応じたネクタイを選ぶことが必要です。
ネクタイの結び方や選び方も突き詰めると奥が深く、それだけに上手くできていれば周囲からの評価も高くなるというもの。
明日からは、出勤時のスーツに合わせるネクタイにも今までより少し気を遣ってみるのはどうでしょう。