賞金は1億円!?受賞の資金はどこから出る?ノーベル賞の起源と雑学
先日、青色発光ダイオード(LED)の開発で赤崎勇・名城大学教授、天野浩・名古屋大学教授、中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授がノーベル物理学賞を受賞しましたね。
環境に優しく消費電力の少ない青色LEDの量産化は、これからの世界に新たな光を差し込んでくれそうです。
さて、ここでちょっとお聞きします、紳士な皆さんはノーベル賞の起源や、その種類についてご存じですよね…?
なんとなく知ったつもりでいるノーベル賞、今回はそのルーツと種類について、おさらいしましょう!
そもそもノーベル賞の起源/語源は?
ノーベル賞についている「ノーベル」は、スウェーデンの化学者であり発明家、アルフレッド・ベルンハルド・ノーベルに由来するものです。
彼は1866年にダイナマイトを発明したことで一躍、一般市民から大富豪にまで成り上がります。彼のダイナマイトは発掘や土木作業で用いられ、それまでつるはしで地道に進めていた発掘工事に大きな影響を与えました。
それまでの作業のスピードを劇的に変えたのですから、そのインパクトは相当なものだったのでしょうね…。国外からも、彼のダイナマイトを求める声は殺到しました。
彼の死後、盛大な葬儀が行われる中、人々は彼の遺産の行方に胸を高鳴らせていました。しかしノーベルが残したのは親族や関係者へのわずかな遺贈と、彼の遺産のほとんどの使い道を示した遺書でした。
遺書の内容をまとめると、以下の通りです。
・有価証券に投資された資本で持って基金を設立し、その利子は毎年、その前年に人類のために最大の貢献をした人たちに、賞の形で分配されるものとする
・利子は5等分され、物理学、化学、生理学もしくは医学、文学、国家間の有効、軍隊の廃止または削減及び平和会議の開催や推進で最も重要な成果を出した人物に与えられる
・賞を与える候補者の国籍は考慮されてはならない
ちなみにあまりにもノーベル賞のために残された遺産が多かったことから、この遺言を認めないと言いだす者までいたそうです…。
ノーベル賞の種類はいくつ?
ノーベル賞は全部で6つ。
ノーベル物理学賞
物理学の分野で最も重要な発見あるいは発明をした人に与えられる
ノーベル化学賞
化学の分野で最も重要な発見、あるいは改善を成し遂げた人に与えられる
ノーベル生理学・医学賞
生理学及び医学の分野で最も重要な発見を行った人に与えられる
ノーベル文学賞
文学の分野において理想主義的な思考にあって最も優れた作品を創作した人に与えられる
ノーベル平和賞
国家間の友愛関係、常備群の廃止か、縮小、及び平和会議の開催及び促進のために大きなあるいは最良の仕事をした人に与えられる
ノーベル経済学賞
経済学の優れた理論を作りだした人に与えられる。
(正式名称はアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞)
ノーベル経済学賞は1968年にスウェーデン財団とスウェーデン国立銀行によって設立された、比較的新しい賞です。
選考のプロセスは?
物理学賞および科学賞は「スウェーデン王立科学アカデミー」、生理・医学賞はストックホルムの「カロリンスカ研究所」、文学賞はストックホルム学術機関「スウェーデンアカデミー」、そして平和賞は、ノルウェー国会が選出する五人の「ノルウェー・ノーベル委員会」によって選考を行います。
なお選考の過程は一切公表されず、毎年10月頃に受賞者が発表され、ノーベルの命日である12月10日に授賞式が行われることになっています。
ちなみに受賞者には賞金と記念メダルと賞状が授与されます。気になる賞金は……日本円にして約1億円!
ノーベルの遺産の総額が気になるところですね…。
ノーベル賞とひとことにいっても、実は長い歴史が残されていたんですね。
ノーベル賞だけでなく、ノーベルの暮らしや研究に関してももっと知りたい!という方は、北野利夫さんの「知っていそうで知らないノーベル賞の話」を是非読んでみてください!
それでは、本日も読んでくださいましてありがとうございました。
Photo: flickr