ウイスキーは天使も飲む?


ストレート、オンザロック、カクテルベース、水割り、ハイボールと、バリエーション豊かな飲み方のできるウイスキーですが、製造する過程において「天使の分け前」と言われるものがあります。これは美味しいウイスキーを作るために不可欠のものなのですが、ご存知の方は少ないのではないでしょうか。
今回はそんなウイスキーの秘密についてご紹介しましょう。

できたてのウイスキーは無色透明

photo by: Therese Tjernström

ウイスキーの主原料は、ビールと同じ。それにトウモロコシなどを加えて糖化させ、次に濾過して麦汁を作ります。そしてそれを発酵させると、アルコール度数7〜8%の液体ができます。
ウイスキーは蒸留酒ですから、さらに蒸留器で蒸留し、アルコール度数60〜70%、無色透明の液体(原酒)を作ります。

つまり、できたてのウイスキー、まさに原酒はなのです。

天使の分け前

photo by: Dave Wilson Cumbria

次に、できた原酒は木製の樽に詰められ、数年から十数年以上寝かせて熟成させます。この過程でウイスキー独自の風味と色が出てくるのです。

しかし、樽は木でできていますので、僅かに気体を通します。すると、熟成させている間に水分やアルコール分が僅かに樽からしみ出ていってしまいます。その結果、熟成を終えて樽を開けたときには量が減っていますね。その減った分をと呼んでいます。

おしゃれな呼び方ですね。減った分は天使のためのウイスキーというわけです。

ウイスキーの風味は、この長い熟成期間によって得られるもので、熟成が長くなれば天使の分け前も増えることになります。蒸留所の森の中で、天使に見守られながら静かに琥珀色に変化していくウイスキー。何ともロマンチックですね。

なお日本産のウイスキーは、スコッチ、アイリッシュ、バーボン、カナディアンという世界の名産地に並ぶ、確固たるブランドを築いています。
一度、琥珀色の向こうに天使の面影を思い浮かべながら、グラスを傾けてみてはいかがでしょうか。

top photo by: Dominick

  • アバター画像
    Bluebook編集部
    Facebook Twitter Google Plus
    サイト
    「Bluebook 紳士録」は、日々の生活で必要な紳士の役立つ「マナー」や「知識」情報を配信していきます。日々のちょっとした「知らない」「分からない」を解決したい。